薬物依存症回復支援 — 薬物依存症は回復できる病です

NAに参加して薬物依存症者への見方が変わった


フリーダムからの原稿依頼を請け合ったものの、いざ書こうとすると、何を書いて良いやらことばが出てこない。そこで私がNAのミーティングに参加するようになってから、薬物依存症者への見方が変わったことについて書いてみようと思う。

嫌がられる薬物依存症者

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私はかつて精神病院で13年間ケースワーカーとして働いて来た。入院している患者さんの多くは統合失調症と言われる方々です。世間一般の人は精神病院というところは精神病の患者さんばかりが入院しているので、さぞ賑やかで恐いところだと思っているようだ。よく人から私に精神病者と毎日接していたら、気が変になりませんかと訊かれたが、その返答として、精神病者といる方がこちらも気持が安らぐと答えると、「へえー」という好奇な目で見られた。実際、精神病院の中はとても静かでゆったりとした時が流れており、患者さんもやさしい人達が多い。そこに居ると不思議と職員も穏やかな気持になれる。ところがたまに薬物依存症の方が入院してくると、たちまち病棟内の空気が変わる。今まで穏やかな雰囲気だった病棟がどこか緊張感が漂うようになる。正直言って歓迎されざる患者が入院してきたという感じになる。恐らくどこの精神病院でもこれと同じような思いを抱いているのだろう。薬物依存症者は世間だけでなく精神病院でも嫌がられる存在のようです。私も薬物依存症者に対してそのように思い、仕事として相談援助はしていたものの、尻拭いをさせられている感じであった。

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    • 同じ仲間として誰でも受け入れるNA

      地域のあちこちにキリスト教会があります。そこでNAのミーティングが開かれています。どんな人達がどんな風にミーティングをしているのか、ちょっと関心がありのぞくようになった。NAは少人数によるアットホームなところで、とても穏やかな雰囲気でミーティングが行われる。薬物を止めたいという気持ちさえあれば来る者拒まずで、どんな人でも同じ仲間として受け入れる懐の深さを感じる。(この独特な雰囲気はなかなか口では表現しにくいものがある)

      私はたまたま薬物に出くわさなかっただけ

      NAメンバーの話を聞いていると薬物依存症は誰でもなる可能性がある、と思うようになった。と言うのも、たまたま私は運良く薬物という魔物に出くわさなかっただけである。酒を飲んでコントロールが緩んだ時に、薬物をやる者が自分の周りにいて誘われていたら、私も好奇心からやっていたかもしれない。たまたま私はこんな状況に出くわさなかっただけである。誰でも薬物に出会っていたらやっていたかもしれない。薬物依存症はそういう意味では、誰にでも起こりうる病気である。特にこの頃、若者に出回っている違法ドラッグ(ちょっと前までは脱法ドラッグって言っていた)はもっともっと身近な薬物で、まさかあの子がという出来事である。

      NAに通い自分を見つめる

      ミーティングはメンバーの話に耳を傾け、自分の今の気持ちを正直に語るところです。ミーティングで自分自身の生き方を見つめ、自分の根っ子を掘り下げて行きます。メンバーの腹の中をさらけ出す正直な話に、思わず耳を傾けて聞き入ってしまう。「自分にもあるよなー、そんな気持」と、自分の気持ちを鏡に映し出して見せてくれる。自分の引っかかっている感情を外に吐き出すと、その後、すっきりとした爽快さを感じてしまう。そんな時の帰りはとてもすがすがしい気持ちで家路につける。

      失ったことから見えてくるもの

      彼らは失ったものが多いだけに何が大事かよくわかっている。何がほんとうに大事なものか見透かしているようにも思う。こちらが外面を装ってみても、中身を見透かし、装っていることに対して「それがどないしたんや」と鼻にもかけぬところを感じる。多くを失うことによって外面にごまかされずに本質的なところが見えてくるように思う。

      役割を担うことは自分のためにもなる

      クリーン(薬物を使用しない状態)を続けているメンバーを見ていると、NAでいろんな役割をたんたんと行っている。その役割を担うこともクリーンを続けることに役立っているように思う。人のためにやっていることが結局自分のためになっている。クリーンを続けていくために単に薬物を止めることだけでなく、日々ミーティングに通い自分を見続けることが大事なようです。メンバーの話を聞いていると日々薬物の欲求と対峙していることがよくわかる。そこには精神病院で感じていたのと違う薬物依存症者の回復への努力を感じる。嫌われ者の彼等への見方が変わった。NAに参加して彼等のことをより深く知って良かった。このことを知らなかったら私は薬物依存症者をどうしようもない人達だと思い続けていただろう。

      私と同じように薬物依存症者に嫌な思いをもっている方はどうぞ地域のNAに参加して下さい。そして薬物依存症者の正直な話に耳を傾けて下さい。きっと私と同じように今までと違う自分を感じることでしょう。

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