在米セラピストたち

社会状況が大きく起因する薬物依存問題に対して、従来の対策から大きく転換し薬物依存者を「保護・治療」する方向に進んでいる先進的なアメリカで支援活動を行うセラピストからの寄稿文です。

アメリカでカウンセラーとして働くこと

アメリカでカウンセラーとして働くこと 今回は、私が一カウンセラーとして、アメリカでどんな活動をしているのかを、紹介してみたい。まず初めに、日本とアメリカの、社会福祉や司法システムの違い、そして、その・・・

青少年と薬物治療 in America

今回は、アメリカでの青少年の薬物治療について紹介する。いくつもの研究結果では、依存症を経験した両親を持つ子供は、環境的、生物学または、遺伝子学的にも、依存症なりやすいということが、報告されている。・・・

どこかナースと似ている? レジデンシャル物語 ―カウンセラーが語る「嫌いなクライアント」告白記―

第1回 私の職場~レジデンシャルの風景 「あっ,こんなに堂々と私を無視してる。視線だけじゃなく,顔まで背けて……」  私は,肋骨の中で心臓の位置がカクンと下がるような感覚をおぼえた。それと同時に,そこ・・・

自分を一番に考える

前回、自己と向き合うことは、誰にとっても非常に難しくてつらい作業だと書いた。ましてや、薬物を使用してきた人にはなおさら苦しい。薬物はいわば心の痛み止めのようなもので、痛み止めが切れた後、心の傷は以・・・

否認について

サンフランシスコからベイブリッジを挟んだ反対側、バークレーの北にリッチモンドという街がある。 中南米やアジアからの移民が多く、安くておいしいメキシコ料理屋や中華料理屋などが軒を並べる所だ。前回紹介し・・・

「自分がそれほどたいした人間だと思わないことよ」

サンフランシスコの北東、車で一時間ほど離れたコンコードという街に、ホームレス支援を主に行うフェニックスプログラムというNPOがある。 そこで今春から半年あまりインターンのセラピストとして働いていたころ・・・

サンフランシスコ・ベイエリアの鑑別所にて

サンマテオ郡のJuvenile Hall (少年院・鑑別所) 昨年の9月から、サンフランシスコの南側にあるサンマテオという郡の鑑別所・少年院で働いています。ここにいる子供たちは、最年少は8歳、最年長は18歳で、4対1の・・・

文化に根ざしたケア:ネイティブ・カナダディアンの試み

今回は、前回のエッセーで触れたネイティブ・カナディアンの人たちの、文化に根ざした薬物依存からの回復のための施設について、少し詳しくご紹介したいと思います。 侵略、抑圧と排除の歴史的・社会的背景が大き・・・

「薬物依存と文化、ネイティブ・コミュニティーの試み1」

「人種の坩堝」と言われてきたアメリカの中でも、特に文化の多様性が大きいことで知られるサンフランシスコからのレポートという、この連載エッセーの特色を生かして、前回に引き続き「薬物と文化」をテーマに考・・・

「薬物依存」、アメリカの今

サンフランシスコやバークレーにはアジアの文化がたくさん入ってきており、私の住んでいる通りも、隣は禅センター、その三軒先はタイ仏教のお寺で、毎週末非常なにぎわいをみせています。 ベイエリア中あちらこち・・・